styloの映画日記

WEBライターによる映画の感想、コラムなど雑記ですが記していきます。

誘惑する眼差し メラニー・ロランの虜になる 「PARIS」 感想

PARIS-パリ- (通常版) [DVD]

いくつもの人生がそこにある、パリの群像

セドリック・クラピッシュが描く、パリを中心にした群像劇。いくつもの人生のリアルな痛みが交差する。

死に至る病を患う弟(ロマン・デュリス)を気遣う姉(ジュリエット・ビノシュ)を軸に展開するストーリーは、観光地としてのパリでなく、生活の場としての普段のパリを描いている。

彼の周りの人々は生きていて、人生を変えることができる。そのメッセージを持って、姉の人生に再び愛の息吹を吹き込もうとする。恋することで生き生きしていくジュリエット・ビノシュの姿は初々しさすら感じる。

 

人生を見つめなおす弟の目に映るパリは生きているように、いくつもの恋を生んで人々を活かしているようだ。死というファインダーを持って深くなる視点が、クラピッシュの他の軽妙な作品とは違った味を出している。

 

要の存在、メラニー・ロランの罪な美しさ

一方で白髪交じりの大学教授(ファブリス・ルキー二)が初めて心から恋をするストーリーが並行している。

 

前述の病気のストーリーと結びつけているのは周囲を誘惑する魅力を持つ女学生。カフェに座っているだけ、部屋の窓辺に立つだけで心をつかんで離さない。

 

メラニー・ロランの魅力は完璧な目鼻立ちと知的なパリジェンヌの雰囲気。そして小悪魔。こんな女子大生がいたらどんな教授も恋心を抱いてしまいそうだ。

 

物語に胸の痛みを与える重要な存在で一度見たら忘れられない目力で、くぎづけにされる。

 

大物監督もほれ込む才色兼備の実力!

メラニー・ロランは女優としてこの後目覚ましい活躍をしている。タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』や、アンジェリーナ・ジョリー・ピットの『白い帽子の女』にも出演。

www.cinemacafe.net

さらに、自分でも映画を監督!ドキュメンタリー作家のシリル・ディオンと共同でナチュラルな限られた資源など環境問題をめぐる『Demain』で2016年度セザール賞を撮っている!本当に才色兼備だった!


DEMAIN Bande Annonce (Mélanie Laurent - 2015)