styloの映画日記

WEBライターによる映画の感想、コラムなど雑記ですが記していきます。

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「まぼろし」 途方に暮れる妻シャーロット・ランプリングの美しい憂い 感想

熟年夫婦だからこその色香と淋しさ バカンスを過ごす海辺の別荘で、いつもの風景から当然消えた夫の姿。激しい動揺や取り乱した姿を晒し続けない妻の気丈な振る舞いが逆にリアルに感じる。 夫の替わりはいないと強く思う絆の深さが印象的なのはベッドシーン…

コクトー原作・メルヴィル監督 「恐るべき子供たち」 恐るべき姉の愛 感想

コクトーの美学を目の前に再現する ジャン・コクトーの作品「恐るべき子供たち」の映画版は、ヌーベルバーグのメルヴィルが監督した。コクトーの恋人が弟ポールを演じ、コクトー自身がナレーションをすることで、原作者との強い結びつきをアピールしている。…

「世界一美しいボルドーの秘密」 ワインは恋、ボトルはステータス❓ 感想

ワインは嗜好品なのか?芸術品なのか? 近年のグローバル化に中国資本が存在感を表わすにつれて、ボルドーワインをめぐる、世界市場の過剰反応が問題視されている。翻弄されるフランスのシャトーや生産者たちの声を拾いつつ、ワインのもつなみなみならない魔…

「ミッドナイトインパリ」 恋ってこんな風にしたい妄想が満載 感想

夢見がちな婚約者の見せる奇行 婚前旅行できた花の都パリ。成功した脚本家の婚約者(ギル)に資産家のお嬢様もなんとなく不思議なオーラを感じている様子。 そしてついに、馬車がギルを迎えに来て、憧れの古き良きパリへタイムスリップさせてしまう。パリが…