styloの映画日記

WEBライターによる映画の感想、コラムなど雑記ですが記していきます。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「プライドと偏見」 イギリス文学的大人の恋愛の世界にはまる 感想

美し過ぎる、イングランドの風景に再現された世界観 18世紀、女性の立場は低く、中流階級では娘が身分の高い男性に見染められることを望む父や母の姿がしばしばみられた。 その時代背景のなか、主人公のエリザベスは、見事、高貴なお方を射止めることに成功…

激しく、暗い、恋の映画 イザベル・アジャーニ 「カミーユ・クローデル」 感想

美し過ぎて怖い女優、若き日のイザベルアジャーニ演じる「カミーユ・クローデル」。不倫の恋の果てを描いた作品の感想です。

問題ガール?モノ言うイラン女子を描いたアニメ 「ペルセポリス」 感想

ヴェールで隠しきれないマルジのバイタリティー イランに生まれた女の子マルジは、リベラルで反体制的な親や祖母の影響で自由闊達に成長していた。快活で自分の意見をはっきり持っている彼女だったが、イラン王政が倒れ、その後の宗教的な政治によって人生を…

大人の魅力といえばこの女性、ファニー・アルダンの美 「日曜日が待ち遠しい!」 感想

フランソワ・トリュフォー監督 1983年 フランス ファニー・アルダン主演 トリュフォーの遺作、美人秘書ファニー・アルダンが活躍 セクシーな美脚、唇、でもどこか男性的で、女から見てもハンサムなファニー・アルダン。サスペンスで描けばクールでエロティッ…

「パリ、18区、夜。」 断片だけどつながっている大きなストーリー 感想

パリ北部、18区は移民の街 この作品は1993年に作られている。この前後にはイスラム教女性のスカーフ着用事件など移民政策における他文化に対する問題点が議論になっている。 パリ北部18区というと、バルベスやシャトールージュなどの地下鉄駅があり、アフリ…

「コーラス」 ジャン・バティスト・モニエの天使の歌声が聞きたくて 感想

学校一のワルからコーラスのソリストに ジェラール・ジニョ演じる教師が赴任した学校では、やんちゃ盛りの男の子たちが問題ばかり起こしている。中でも一番のワル、問題児モランジュ(ジャン・バティスト。モニエ)に手を焼く。 しかし、モランジュは天使の…

ミヒャエル・ハネケ監督 「ピアニスト」 見終わって傷つく 感想

貞淑な女教師と美形学生のいびつな恋 厳しい母親に管理されて大人になった女性が、お堅いピアノ教師になる。いわゆる毒母の影響で、女性としての成長を抑えられてしまった悲しい主人公をイザベル・ユペールが演じきっている。 その彼女を誘惑する男子学生を…

「鑑定士と顔のない依頼人」 過去から動き出した時間 感想

敏腕鑑定士の目を欺くなら 明らかに怪しい電話依頼を受けたオークションの腕利き鑑定士バージル。罠だとわかっていても、姿を見せない「顔のない依頼人」に憑かれるように惹かれていった。 広場恐怖症というパニック障害を持つ依頼人、クレアは実はブロンド…

感想 「風にそよぐ草」 感情があるから、人間らしい 

感情的な人間であり続ける 偶然が支配する小さな世界で起こるボーイミーツガールの物語が、初老の男女だとどうなるかが描かれた面白い作品。「風にそよぐ草」では、かたくななこだわりや、素直になれないところもリアルに描かれている。 特に印象的なのは、…

父・子の絆ができるまで 『ヴェルサイユの子』 感想

「ヴェルサイユの子」(原題 VERSAILLES) 2008年フランス ピエール・ショレール監督 母に捨てられた子どもと、一人の男が心を通わせていく。生き方を忘れた彼が、弱い命を守るために再び立ち上がる姿が美しい。 父なる者になっていく、一人の男 フランスの…