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styloの映画日記

WEBライターによる映画の感想、コラムなど雑記ですが記していきます。

女王蜂と7人のお世話蜂 アザリロヴィック監督『ネクター』 

ルシール・アザリロヴィック 映画館

ネクター

ルシール・アザリロヴィック監督 2014年 フランス

オルガ・リャザーノワ

2016年12月14日アップリンクにて

 

18分の短編に、女社会のヒヤッとする嫌なものが込められている。短い間にも見えない前後のストーリーが完璧に含まれていて、秀逸だ。

 

蜂の羽音が始まりからブンブンブーンと耳につく。

 

女王が君臨するとある世界が舞台。その女王とお世話蜂たち、他男性2人ほどが登場する静かな作品。まるで蜂の巣のような集合住宅は養蜂箱と重ねられ、女王の世話をする蜂たちはそこで暮らしている。

 

女王の体からしみ出す濃厚なはちみつ、「ネクター」は愛の媚薬であり、この世界になくてはならない役割を果たす。その女王の御代が変わる時は…。

 

長いつけまつげがマーベラスに美しい女王に陰りが出るときの、お世話係の目の鋭さは、相手を責めるようであり、失望したようでもあり、どこか薄ら笑いをしているところを想像する。

それまで従順で可愛らしかったお世話係たちが、意地悪に見えてくるのは女社会のしきたりなのか。かいがいしく世話する姿にとげが見えてくるから不思議だ。

 

最後の方では官能を誘うお世話蜂たちの愛撫が、ネクターが必要、女王の役割が必要という、必要性を訴えてくる作業になっている。需要と供給がマッチする平和が乱れるとき、次の女王を狙うしたたかな女の計略が動くのではというハラハラが感じられる作品。

 

蜂を人におきかえて、ネクターはやっぱり必要だと思った。人類が繁栄する生物的な意味でも、恋する気持ちを発生させる媚薬がどこかで生み出され、供給されているのかもしれない。

映画『ネクター』公式サイト

 

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