styloの映画日記

WEBライターによる映画の感想、コラムなど雑記ですが記していきます。

大人の魅力といえばこの女性、ファニー・アルダンの美 「日曜日が待ち遠しい!」 感想

 

日曜日が待ち遠しい! (フランソワ・トリュフォー監督傑作選8) [DVD]

 

フランソワ・トリュフォー監督 1983年 フランス

ファニー・アルダン主演

トリュフォーの遺作、美人秘書ファニー・アルダンが活躍

セクシーな美脚、唇、でもどこか男性的で、女から見てもハンサムなファニー・アルダン。サスペンスで描けばクールでエロティックな怪しい存在になってもおかしくはないのだが、ヌーベルバーグを代表するフランソワ・トリュフォーの「日曜日にが待ち遠しい!」では程よいコメディタッチが親しみを感じさせる。

 

何度も見たくなる理由は、結末や顛末といったストーリー上の興味やハラハラするサスペンス特有のしかけでもない。

 

ただ、秘かに想いを寄せる社長を守るために女秘書ファニー・アルダンが車を運転するシーンが美しいからだ。

 

ヌーベルバーグの映画は引用も多く、フランス文化に通じていないとわからないジョークなどがありすべてを把握しきれないのも事実。そうしたトリュフォーの知的な遊びを差し引いても、私はこの作品のユーモアやテンポが好きだ。

 

トリュフォーはサスペンスの巨匠、ヒッチコックを敬愛していた。ヒッチコックといえば、「サイコ」「鳥」など、人を恐怖に陥れる天才だ。一方、トリュフォーのサスペンスは安心して見られる(怖くない)ところに愛着がわく作品だ。

 

心地よく展開するサスペンスは、主人公の社長のヒステリックな性格にも人間味がある。全体にただようゆるい雰囲気というか、当時結婚関係にあったファニー・アルダンへの愛が溢れた素敵な作品だと思う。

 

この作品を最後に1984年脳腫瘍のためこの世を去った、フランソワ・トリュフォー。ここ数年、シャブロル、リヴィエット、ロメールと仲間たちが亡くなり、あちらの世界で邂逅を果たしているのかもしれない。

 

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