「コーラス」 ジャン・バティスト・モニエの天使の歌声が聞きたくて 感想
学校一のワルからコーラスのソリストに
ジェラール・ジニョ演じる教師が赴任した学校では、やんちゃ盛りの男の子たちが問題ばかり起こしている。中でも一番のワル、問題児モランジュ(ジャン・バティスト。モニエ)に手を焼く。
しかし、モランジュは天使の歌声を持っていた!!繊細で実は傷つきやすい一面を持つモランジュは美少年な点もこの作品を忘れられなくなる要因に。
情熱を持って自分に向き合う教師の姿は、父のいないモランジュにとって成長の糧になっていった。問題児の多くが抱える淋しさを包み込むように覆っていく様子は心打たれる。特別なことは起きないけれど、自分を守ってくれる信頼のできる存在がいてくれると人は変われるのだろう。
また、コーラスでは、周囲の仲間たちの歌声を聴き合うことが大切だ。その練習を通して荒れていた子どもたちが思いやりを持てるようになってく。ソリストのモランジュだけでなく、他の子どもたちにも目が行くように作られている点も好ましい。
モランジュ演じるジャン・バティスト・モニエはすでに大人になり、この時の美声はもう失われてしまった。成長過程で消えてしまう天使の歌声だからこそ、この作品は素晴らしいと思う。
ちなみに、youtubeに面白いインタビューがあった。大人になったモランジュと先生が一緒にテーブルを囲みながらインタビューを受けている。知りたいような知りたくないようなジャン・バティスト・モニエの成長した姿なのでした…。