レティシア・カスタ主演 「歓楽通り」 感想
運命の女性の幸せを願う運命
娼館に勤めるプチ・ルイがついに見つけた運命の女性がマリオン(レティシア・カスタ)。尽くして尽くして、それでも自分の手に入れるのではなくその幸せを願う。
パトリス・ルコントの表現する男の愛のありかたには、もどかしくも、切ない憧れを抱かずにはいられない。白や黒ではなく、関係性を持ち続けることができればよいというプチルイの愛。
そして、マリオンの輝く表情をみることが最高の幸せというM的な極みに至っている。決して振り返ることはないのに、そうしいう愛を受け取るマリオンも優しいのだと感じる。そばにいるのを許しているところが女としての度量の大きさともいえる。
レティシア・カスタ 怒り・喜びの表現者
美しい瞳と力強い骨格に淋しげな表情のアンバランスさが魅力的。フランスの大女優であり、イブサンローランの見出した世界のトップモデル。
スチール写真の美しさとは違い、躍動感のある演技は目だけでなく、心も奪う。喜怒哀楽をはっきり示し、怒りの演技とその後の一瞬悲しい表情が忘れられなくなる。
「ゲンズブールと女たち」ではブリジット・バルドーを演じている。フランス映画不動のミューズ、バルドーの華やかさと、もの問い気な眼差しが、現在のミューズによって再現されている。
↓レティシア・カスタ公式ページの出演作品画像、とっても素敵です。↓