styloの映画日記

WEBライターによる映画の感想、コラムなど雑記ですが記していきます。

好きな監督 感想

トリュフォー映画祭『終電車』のカーテンコール

ドイツ占領下のフランス、パリのモンマルトル劇場で起こる、恋愛模様。支配人の女主人は、その夫ユダヤ人のルネを地下に匿いながら新しい戯曲の公演を控えている。相手役の新人俳優は美しく若いベルナール。地下の夫に聞かれながらも、2人は愛を囁くシーンを…

『恋多き女』 ゴージャスな美貌と強い意志を持つバーグマン

『恋多き女』Elena et les hommes ジャン・ルノワール監督 1956年 イングリット・バーグマン ジャン・マレー メル・ファーラー 女神は使命の恋を重ねる ジャン・ルノワール監督の後期の作品『恋多き女』は、パリの社交界を舞台に男性を次々に虜にしていく未…

ブニュエル×ダリ 「アンダルシアの犬」 嫌なものは嫌だ(見たい) 感想

好奇心は怪我のもと 「アンダルシアの犬」はシュールレアリストであり、映画監督ルイス・ブニュエルの金字塔。シュールレアリスムといえば、サルバートール・ダリの方が一般的に知名度は高いだろう。 その二人が協力してできたこの作品は、おそらく見た人を…

「メランコリア」 吸い込まれてしまう前に壊れる 感想

ラース・フォン・トリアー監督 2011年 デンマーク キルスティン・ダンスト、シャーロットゲンズブール、キーファー・サザーランド出演 絶望を前にした人びと 「メランコリア」はラース・フォン・トリアー監督作品の中でも一番見やすいと思った作品だ。 キル…

秋の印象といえば「ジュールとジム」(突然炎のごとく) 感想

寂しいから秋を感じる ジュールとジムという原題が気に入っている。しかし、これは三角関係を描いた作品だ。だから、女性の名前がないとおかしい。 「ジュールとジムとカトリーヌ」または「カトリーヌとジュールとジム」 カトリーヌという、二人の運命の女性…

木々を揺らす強い風と夏の日差し ジャン・ルノワール「草上の昼食」

おおらかに自然に包まれる夏の午後 マネの「草上の昼食」と同名の映画作品は、夏に見るのにふさわしい。 絵画のような映画の中でも、特に映像であることに意味のある作品だ。画家の息子であるジャン・ルノワールだからなせる画面構成は動く絵画のよう。 それ…

「ポンヌフの恋人」 もうじきパリ祭、花火のポンヌフを背景に 感想

レオス・カラックス監督 1991年 フランス 夏の夢のような映画 パリの歴史の始点、シテ島にかかる橋、ポンヌフ(新しい橋)を舞台に、運命的に心を通わせる男女の物語。 その日暮らしの大道芸人と、片目失明寸前の美術学生という破滅ギリギリラインの二人。暗…

「エコール」 見てはいけないものを見てしまった気分になる 感想

ルシール・アザリロヴィック監督 2004年 フランス マリオン・コティヤール出演 原題:Innocence(無垢)に込められた意味 日本名「エコール(学校)」の響きと原題「イノセンス(無垢)」ではとらえ方が異なる作品だ。 少女を集めて美しく育て上げる学校で起…

大人の魅力といえばこの女性、ファニー・アルダンの美 「日曜日が待ち遠しい!」 感想

フランソワ・トリュフォー監督 1983年 フランス ファニー・アルダン主演 トリュフォーの遺作、美人秘書ファニー・アルダンが活躍 セクシーな美脚、唇、でもどこか男性的で、女から見てもハンサムなファニー・アルダン。サスペンスで描けばクールでエロティッ…