styloの映画日記

WEBライターによる映画の感想、コラムなど雑記ですが記していきます。

フランス映画祭2017 オープニング舞台挨拶 &「Sage femme」上映

unifrance.jp www.allocine.fr 2017年フランス映画祭オープニング 6月22日 有楽町TOHOシネマ日劇 ・オープニング舞台挨拶の様子 満員の観客を前に、これまでの登場作品のまとめ映像がながれ、登場したカトリーヌ・ドヌーヴ。遠目で見ても顔立ちがはっきりし…

アルモドバル監督「ジュリエッタ」感想 ある女性の人生に見た希望の話

ジュリエッタ [Blu-ray] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2017/06/02 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る 2017年4月 飯田橋ギンレイホールにて 『ジュリエッタ』 2016年 スペイン 監督 ペドロ・アルモドバル 主演 エマ・スアレス&アド…

アルモドバル監督「ジュリエッタ」 恋と愛と、後悔の半生を描く

ジュリエッタ [Blu-ray] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2017/06/02 メディア: Blu-ray この商品を含むブログを見る 「ジュリエッタ」 監督 ペドロ・アルモドバル 主演 エマ・スアレス&アドリアーナ・ウガルデ ジュリエッタという一人の女性の…

『リアリティのダンス』感想 暗い少年時代も未来へつながっている

少年時代の思い出は夢の中に ホドロフスキーの『リアリティのダンス』は、彼自身の過ごした少年時代をベースに作られた自伝的作品と言われる。 脚色は強く、登場する人物は夢の中の存在のように誇張されているように感じる。 例えば、母親はずっとオペラ調で…

「勝手にしやがれ」ゴダール 感想

ジャン=リュック・ゴダール『勝手にしやがれ』1959年 フランス 勝手にしやがれという言葉のイメージ ヌーベルバーグというフランスの映画界の革命の象徴的な作品として殿堂入りしている『勝手にしやがれ』は、映画評論家 秦早穂子が買い付け、タイトルもつ…

フランソワ・オゾン監督 「17歳」の危うすぎる輝き

『17歳』フランソワ・オゾン監督 2013年 フランス 17歳のコントロール不能な魅力 17歳の少女イザベル、自分ではすっかり大人だと思っているけれど、心はアンバランスだ。イザベルがバカンス中に駆け足で処女を失なった時、自分の中の少女だった部分が現れ、…

マッツ・ミケルセン出演『アフター・ウェディング』 家族の真実が明かされる

スザンネ・ビア監督 マッツ・ミケルセン 2006年 デンマーク、スウェーデン 幸せを破る二つの真実 家族に見守られた結婚式、幸せの絶頂にいたアナ。その結婚式には、いわくつきのゲスト、ヤコブ(マッツ・ミケルセン)がいた。 ヤコブは慈善事業の資金調達の…

「肉体と火山」 クレマンス・デメム作 マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2017より

『肉体と火山』La chair et les volcans クレマンス・デメム監督 2015年 フランス (短編21分) https://www.facebook.com/lachairetlesvolcans/ マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて視聴 あらすじ あるフランス・オーベルニュ地方の小さな町、ラ…

『恋多き女』 ゴージャスな美貌と強い意志を持つバーグマン

『恋多き女』Elena et les hommes ジャン・ルノワール監督 1956年 イングリット・バーグマン ジャン・マレー メル・ファーラー 女神は使命の恋を重ねる ジャン・ルノワール監督の後期の作品『恋多き女』は、パリの社交界を舞台に男性を次々に虜にしていく未…

女王蜂と7人のお世話蜂 アザリロヴィック監督『ネクター』 

『ネクター』 ルシール・アザリロヴィック監督 2014年 フランス オルガ・リャザーノワ 2016年12月14日アップリンクにて 18分の短編に、女社会のヒヤッとする嫌なものが込められている。短い間にも見えない前後のストーリーが完璧に含まれていて、秀逸だ。 蜂…

ナショジオ「地球が壊れる前に」と「レヴェナント 蘇りし者」

「地球が壊れる前に」 フィッシャー・スティーブンス監督 2016年 アメリカ 地球が壊れる前に|番組紹介|ナショナル ジオグラフィック (TV) マーティン・スコセッシ製作総指揮の環境ドキュメンタリー 一昔前、プリウスに乗るセレブということで、環境への配…

ヴィム・ヴェンダース 「誰のせいでもない」 試写会

巨匠ヴィム・ヴェンダース最新作『誰のせいでもない』11/12(土)公開 ヴィム・ヴェンダース監督 2015年フランス・カナダ・ドイツ・スウェーデン・ノルウェー 2016年11月6日 シネクイント 試写会にて 事故によって、運命が変わっていく被害者と加害者の生活…

「世界の果ての通学路」 夢という原動力 感想

「世界の果ての通学路」パスカル・プリッソン監督 2012年フランス ドキュメンタリー 大人が子どもを信じて送り出す、それを受けて、子どもは世界を、未来を信じることができるようになる。世界の過酷な通学路の現実がこの作品で、目の前に届けられる。 www.s…

「サンバ」 自分の居場所を求めて、生きていく移民たち 感想

「サンバ」2014.フランス、パリを舞台に、アフリカからの移民サンバ(オマール・シイ)と精神を病んだ移民サポートのアリス(シャーロット・ゲンズブール)の恋が動き出す。エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督とオマール・シイは「最強の二人」以…

幸せを運ぶ映画「100人の子供たちが列車を待っている」が見たい

映画のワークショップと子供のドキュメンタリー イグナシオ・アグエロ監督、チリ映画、1988年。テレビ放送か何かかで、私も見たのはかなり前になる。いまだに心に残る一番といえる作品。 映画作りを学ぶ子供たちの様子はほとんど忘れてしまったけれど、列車…

ブニュエル×ダリ 「アンダルシアの犬」 嫌なものは嫌だ(見たい) 感想

好奇心は怪我のもと 「アンダルシアの犬」はシュールレアリストであり、映画監督ルイス・ブニュエルの金字塔。シュールレアリスムといえば、サルバートール・ダリの方が一般的に知名度は高いだろう。 その二人が協力してできたこの作品は、おそらく見た人を…

「メランコリア」 吸い込まれてしまう前に壊れる 感想

ラース・フォン・トリアー監督 2011年 デンマーク キルスティン・ダンスト、シャーロットゲンズブール、キーファー・サザーランド出演 絶望を前にした人びと 「メランコリア」はラース・フォン・トリアー監督作品の中でも一番見やすいと思った作品だ。 キル…

秋の印象といえば「ジュールとジム」(突然炎のごとく) 感想

寂しいから秋を感じる ジュールとジムという原題が気に入っている。しかし、これは三角関係を描いた作品だ。だから、女性の名前がないとおかしい。 「ジュールとジムとカトリーヌ」または「カトリーヌとジュールとジム」 カトリーヌという、二人の運命の女性…

「キャンディ」 60年代的ハチャメチャロリータエロティック 感想

ロリータ顔のスウェーデン美少女を狙う狼たち ファッションに惹きつけられ女ともだちと見に行って、ちょっとはずかしかった映画。 原因は、すぐに襲われてあられもない格好になってしまう女子学生キャンディ。 でも、その甘い顔とは反対の真面目な発言をする…

「NTL フランケンシュタイン」 孤独と愛に苦悩する二人の主役 舞台の上映レポート

www.ntlive.jp 2016年8月28日 Bunkamura ル・シネマにて ベネディクト・カンバーバッチ=博士 ジョニー・リー・ミラー=怪物 カメラを通して見る舞台「フランケンシュタイン」 ナショナル・シアター・ライブの迫力が映画館で味わえるというのでロンドンに行く…

「ホーキング」 未来を信じる科学者の青春時代 感想

生かされていると思える深い内容 「ホーキング」では、博士になる前のスティーブン・ホーキングが主人公だ。作品はケンブリッジの学生時代にALSで余命二年と診断され、徐々に体の動きが制限され始める様子を追っていく。 ホーキングは、一般相対性理論でアイ…

木々を揺らす強い風と夏の日差し ジャン・ルノワール「草上の昼食」

おおらかに自然に包まれる夏の午後 マネの「草上の昼食」と同名の映画作品は、夏に見るのにふさわしい。 絵画のような映画の中でも、特に映像であることに意味のある作品だ。画家の息子であるジャン・ルノワールだからなせる画面構成は動く絵画のよう。 それ…

「民族の祭典」 レニ・リーフェンシュタールの美的世界

鍛えられた肉体の美しさという幻惑 オリンピックイヤー2016年はリオ五輪に沸いている。テロによる世界の不安定な情勢や、IOCの裏金、ロシアのドーピングといういくつもの懸念事項がある中でも、真摯にスポーツに打ち込むアスリートの姿は美しい。 ヒトラーに…

80年代ノスタルジーという安心感 「レネットとミラベル」 感想

mermaidfilms.co.jp 「レネットとミラベル」下高井戸シネマにて 2016.7.13. 色とりどりなフランスの80年代 エリック・ロメール監督の「レネットとミラベル」1986年 はヌーベルバーグの流れをくむ4つの短編からなるオムニバス形式。 田舎の純朴なレネット…

「悲しみよ こんにちは」 サガン名作を読む・見る夏に 感想

海に持っていきたい本 「悲しみよ こんにちは」フランソワーズ・サガン作 コートダジュールでバカンスを過ごす、ブルジョワたちのひと夏を描く。 恋愛にただ現を抜かすことのできないのがパリジェンヌ。17歳のセシルが新しい感情と出会う葛藤が、小さな出来…

「ムード・インディゴ~うたかたの日々」 幸か不幸か、美しきロマンスの夢 感想

お祭の後のような悲しさが良い ミュージックビデオ風の映像の遊びも多く、ちょっと疲れるときもあったけれど、全体的に見て良かったという幸福感を感じられる作品だ。 この作品を見て、ミッシェル・ゴンドリーはただの夢想家ではないと確信。 「エターナルサ…

元気が出るラブコメをチャージ 「タイピスト!」 感想

なんかほんわか上京恋愛ものがたり タイピングがもてはやされ、女性の職業として憧れのまとだった時代に、田舎から上京してきた女の子がトップを目指すサクセスストーリー。 時代の雰囲気が服装やメイクに現れていて眺めているだけでも、ポップで明るい気持…

ジュリエット・ビノシュ&ルー・ドラージュW主演 「待つ女たち」 イタリア映画祭レポート

2016年5月1日 有楽町朝日ホール イタリア映画祭 「待つ女たち」上映+監督の質疑応答 フランスだけでなくハリウッドにも進出し、今では大御所となったジュリエット・ビノシュと、新進気鋭、ほぼ無名だったルー・ドラージュのダブル主演。イタリアのシチリアを…

「ポンヌフの恋人」 もうじきパリ祭、花火のポンヌフを背景に 感想

レオス・カラックス監督 1991年 フランス 夏の夢のような映画 パリの歴史の始点、シテ島にかかる橋、ポンヌフ(新しい橋)を舞台に、運命的に心を通わせる男女の物語。 その日暮らしの大道芸人と、片目失明寸前の美術学生という破滅ギリギリラインの二人。暗…

ハネケ監督「愛、アムール」 夫婦のダンスはいつまでも続く 感想

ミヒャエル・ハネケ監督 2012年 オーストリア、フランス、ドイツ 最愛の人だから 話がこじれる 発作から半身麻痺の後遺症を残し、認知症を患っていく妻と、「もう入院はさせない」という約束をした夫の愛のストーリー。 見終わって、あまりの重苦しさに、息…